出生時育児休業(=産後パパ育休)R4・10・1

社会保険

 こんにちは、労務行政書士事務所 三九 です。

 今回は、出生時育児休業について簡単なまとめです。

概要

休業

●産後休業をしていない労働者が、原則出生後8週間以内の子を養育するためにする休業で、4週間(28日)まで取得可能。

分割して2回取得可能ただし、初めにまとめて申し出ることが必要。まとめて申し出をしていない場合、事業主は後発の申し出を拒むことができます。

実子・養子を問いません。下記、養育の場合にも該当

①特別養子縁組のための試験的な養育期間にある子を養育

②養子縁組里親に委託されている子を養育

③当該労働者を養子縁組里親として委託することが適当と認められるにもかかわらず、実親等が反対したことにより、当該労働者を養育里親として委託された子を養育

*通称が産後パパ育休となっていますが、養子の場合は女性でも対象

申出期限

申出期限の原則と例外

●原則、休業の2週間前

●出産予定日前に子が出生した等の場合は、1週間前

●例外、2週間超から1か月以内

*例外の期限とするためには、下記①~③のすべてが必要

①下記ア~オの育児休業・出生時育児休業に関して2つ以上の措置を講ずることが必要です。

ア、研修の実施

イ、相談窓口設置

ウ、自社の取得事例の収集・提供

エ、自社の労働者へ制度と育児休業取得促進に関する方針の周知

オ、申出者の取得が円滑に行われるための業務配分又は人員配置の措置

②育児休業・出生時育児休業取得に関する定量的な目標設定、育児休業・出生時育児休業の取得促進の方針を周知

③育児休業・出生時育児休業申出に係る当該労働者の意向確認措置を講じ、その意向把握するための取組

申出期限の繰上げと繰下げ

繰上げ:出産予定日前に子が出生した等の場合、休業1回につき1回に限り、休業開始予定日の1週間前までに申出でれば繰上げ変更が可能。

繰下げ:休業終了予定日の繰下げ変更は、事由を問わず休業1回につき1回に限り、当初の終了予定日の2週間前までに申出でれば繰下げ変更が可能。

休業中の就業

●労使協定を締結し、労働者が合意した範囲内で休業中の就業が可能

申出:労働者が事業主に就業できる場合の条件申出

提示:事業主が労働者申出条件の範囲内で労働者に条件(候補日や時間等)提示

同意:労働者が提示条件に同意

通知:事業主が労働者に通知

●就業日数等の上限

①休業期間中の所定労働・所定労働時間の半分

仮定事例:所定労働日が週5日勤務、1日8時間

➡5日×4週=20日÷2、20日×8時間=160時間÷2 就業可能日等の上限は、10日間・80時間

*出生時育児休業給付金を受給予定の方は、日数等にご注意を!

=休業期間中の就業日数が、最大10日(10日を超える場合、就業時間数は80時間)以下であることが必要です。

②休業開始・終了予定日が就業日の場合は当該日の所定労働時間数未満

上記の事例からは、開始日と終了予定日の労働時間は8時間未満

休業中の就業について同意の撤回や注意点

同意の撤回について(開始前と開始後について)

●開始前

開始予定日の前日までは、労働者は事由を問わず、同意の全部又は一部撤回が可能

●開始後

特別な事情がある場合に限り(下記)、労働者は撤回が可能

①配偶者の死亡

②配偶者が負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害その他これらに準ずる心身の状況を理由として出生時育児休業の申出に係る子を養育することが困難

③婚姻の解消等の理由で配偶者が出生時育児休業の申出に係る子と同居しなくなった

④出生時育児休業の申出に係る子が負傷・疾病・障害その他これらに準ずる心身の状況の理由で、2週間以上の世話を必要とする状態

注意点

●育児休業給付と育児休業・出生時育児休業期間中の社会保険料免除について、休業中の就業日数次第でその要件を満たさなくなる可能性があります。

●子の養育という目的を果たせないと思われる休業中の請負については、制度趣旨にそぐわない可能性がありますのでご注意ください。

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