おいしい副業話にはご注意を!

その他

 こんにちは、労務行政書士事務所 三九 です。

 新年度になり、1か月ほど経過しました。

 大学生の皆さま、新社会人の皆さま、色々なことに慣れてくる頃かと思います。

 良いことだけならば良いのですが、人との関わりが増え、怪しげな誘惑も増えてくる頃ですので、ご注意を!

* 副業(現在の世間一般で言われているものを指し、兼業なども含みます。以下、副業とします)

副業をするにしても会社への確認は必要です

就業規則の確認

 まず、会社に就業規則がある場合には、就業規則で副業(現在の世間一般で言われているものを指し、兼業なども含みます。以下、副業とします)の要件を確認しましょう。

 弊所作成の就業規則では、競業避止義務の関係上、届け出制の副業とし、事業者に確認を取りながら同業で働く場合の要件などを記載しています。

 また、新入社員や中途採用者は一定期間の副業を禁止にしています。

 このあたりは、正社員、契約社員、パートなどや管理職採用などで要件の厳格性は変わってくるでしょう。

 就業規則のご依頼は、こちらより

 就業規則が存在しない、就業規則に根拠記載がない、などの場合には副業の部分的禁止も難しく、また、労働時間などを把握していない場合に安全配慮義務に問われる可能性もあるので事業者の方は注意が必要です。

 社員の方なども就業規則が存在しない、根拠記載がない、からといって何でもかんでも自由に副業ができるわけではありませんのでご注意ください。

 まずは、会社に確認しましょう!

確定申告

 現在言われている副業が解禁される以前の副業は、主に不動産売買や株式投資などを指していることが多かったと思います。

 会社も本人の個人的取引のため、あまり強く言うこともなく、給与の差し押さえなどがあった際に対応するためだけに確認をしていたような気がします。

 投資などをしていた方々も年間20万円超の所得を維持できなくなると、損切りといいますか、スパッとやめられたので、今まであまり問題にならなかったのでは、と思います。

 現在の副業は、アルバイトなどを含むため、年間20万円を超えていなくても、所得税や住民税の関係上、確定申告をする必要性が高いと思います。

 確定申告の詳細がお知りになりたい方は、税務署や税理士の方にお尋ねください。

 税務署所在地・案内(埼玉県) 国税庁 確定申告が必要な方

 税理士の方へは、個々人の考え方が異なりますので、ご自身で節度を持ってお尋ねください。

悪質な情報商材やマルチ商法、その他の商法にご注意を

曽呂利 新左衛門

 ご存知の方も多いかと思いますが、初代の曽呂利 新左衛門。

 聞いた話は、1文の話でした(1両や1粒バージョンもあるそうです)。

 内容は、豊臣秀吉から褒美を貰うやりとりで、今日は1文、明日は2文、明後日は4文と倍々に増やし、30日間継続する、という話で、途中で秀吉が別の褒美に取り換えて話は終わります。

 1,2,4,8……536,870,912(=30日目)=5億3687万912です。

悪質なマルチ商法などに当てはめると

 悪質商法は、ネズミ算式に被害にあわれる方が増え、不幸にも被害に合われた方が数万人になると世間に知られるようです。

 上記の例で、15段目で1万人突破になります。折角なので、記載します。

 1,2,4,8,16,32,64,128,256,512,1024,2048,4096,8192、16384、32768、65536.

 実際は、少人数のグループでやっているようですから、仮定で10人スタートととして倍々に増えていく場合、11段目で1万人突破。

 10,20,40,80,160,320,640,1280,2560,5120,10240,20480,40960、81920.

 大掛かりにやるところであれば、会場を借り、100~200人単位で集め、そのうち50人程度を集客した場合、もっと早く被害にあわれる方が1万人を突破します。

 被害にあわないためにも、動画配信サービスなどで過去にあった事例などを確認するのが良いでしょう。

製造原価を考える

 製造原価から考えると、色々なことが見えてきます。

 悪質なマルチ商法などの会員になるためには、その会の商品を何個か購入する、月会費を払うとなれる、などのところが多いかと思います。

 会員になると、その商品が定価より安く購入できるようになります。

 まず、会はあなたから月会費や先購入(=定価と仮定)させた商品があるので損をしません。

 次に、会員になり、その商品を80%などの値段(=卸値と仮定)であなたに売っても損をしません。

 簡単な理由です。

 その80%の商品価格(=会員価格)には、会のトップ・上位者や紹介者への報酬、あなたへの報酬、会への利益などが含まれています。

 また、その卸値(20%割引)は、割引をしても利益が出る価格になっているのが通常です。

 定価1万円に割引適用、トップ・上位者や紹介者への報酬を各々定価の10%、あなたへの報酬を5%、利益を5%としてみます。

1万円×80%-1万円×(10%+10%+5%+5%)=5,000円

 5,000円が製造原価らしきものになります。

* 定価 ➡ 売値 ➡ 卸値 や利益率などが異なれば、価格は更に変動します。

製造原価らしきものの中身の内容確認を

 製造原価らしきものと記載しているのは、通常は広告宣伝費などは別ですが、会場費などの経費負担がそれなりの額になる可能性があるので、製造原価に含めていれば上記の5,000円から更に価格が下がります。

 製造原価は、直接の材料費・労務費・経費と間接の材料費・労務費・経費から成り立っています。

 「本当に良い商品ですよ!」と勧められたら、製造原価を聞いてください。材料費や人件費・製造国などから、ある程度その商品の価格判断ができます。

 教えてもらえなければ買わない、または成分内容などをスマホで撮って同じような商品の価格をネットなど調べる、など判断材料を増やし、その場で購入などをしないことです。

 判断材料が増えれば、だまされる可能性は下がります。

給与計算をする立場から考えるとそんなにすごい情報商材はあるのか?

 そんな情報は教えてもらえません。

知る人が増えれば増えるほど情報の価値が下がるからです。

仮に事実だったとしても、一般の方にはまず来ないでしょう。

 情報商材などをなさっている方が会社勤めであれば、その情報は貴方よりも先に給与計算担当者などが知るからです。

特に経営者、経理の方は給与実額を知っている以上、大企業などの人数が多い所でなければ、急に金回りが良くなれば気が付きます。

経営者などが気が付いて同じことを実行すれば、守秘義務などの問題になるでしょうが、その情報は誰にも漏らさないでしょう。

経営者など自身が民事上の責任を問われるかもしれないのですから。

 話を戻し、なさっている方が他に気が付かれないようにおとなしくしてその年は誤魔化せたとしても、翌年の住民税の金額変更や手続き変更していれば、会社に判明するでしょう。

また、その方がおとなしくしているということは、秘密にしていることに他なりません。秘密にしている以上、自分の情報は漏らさないでしょう。

 実際、事業者の方はお忙しいですし、そのような怪しいものには見向きもしない方ばかりです。

 おいしい話はありません。

 誰でも簡単に稼げる投資法が存在をするのなら著名な投資家が皆、実践するでしょうし、真似をするために著名な投資家の講演を聞いたり、投資関連書籍をわざわざ購入する必要もありません。

 誰でも楽に稼げる副業が存在するのなら中小の派遣会社が大変な思いをしながら派遣先を探す必要性はないでしょう。

それがあるのでしたら、派遣会社がどんどん潰れていくでしょう。

 おおまかに、誰でも簡単に1日数分で高収入を分解すると、

 誰でも簡単にできる=誰でもできるのなら、働く人がいなくなりますし、また、価値が下がりやすいく、継続しにくいでしょう。つまるところ、真面目に働く方のほうが多いのは何故でしょうか?

 簡単=スマホが操作できれば、ネット上でギャンブル・株式や仮想通貨投資などができ、多数の方が損をしていますが、上手くいけば1日数分で高収入でしょう。ただし、継続して利益を出し続けることができるかは不明です。

 不労所得は、不動産であれば、誰かが借りてくれるから成り立ちます。投資であれば、お金が動いてくれるからです。

 結局、ご自身が働かなくても、他人・物・お金が働くのであって、相手となるものが動かなければ不労所得はなり立ちません。

 おいしい話は時間をかけて調べましょう。うまい話にはご注意を!

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